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今さら聞けない「D2C(ネット通販)」とは?メリットから成功法則まで業界の第一人者が解説

2024.08.27

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加藤 公一レオ

売れるネット広告社 代表取締役社長 CEOの加藤公一レオです。

私はこれまで20年以上ネットを軸としたダイレクトマーケティングに携わっている。そのなかで、大小あらゆるD2C(ネット通販)会社のコンサルティングを手がけ、クライアントの広告の費用対効果を劇的に改善してきた。

コロナ禍以降ネット通販が伸びていることもあって、D2C(ネット通販)が注目を浴びているが、D2C(ネット通販)ビジネスに興味はあっても、「よくわからなくて始めるのを躊躇している」という人もいるだろう。

そこで、今さら聞けないD2C(ネット通販)ビジネスの仕組みやメリットから、D2C(ネット通販)を成功させるためのポイントにいたるまで、徹底的に解説する!

D2C(ネット通販)とは?総合通販との違い

まずは「D2C(ネット通販)」とは何なのか、“基本のキ”からお話しよう。通販には大きく分けて「D2C(ネット通販)」と「総合通販」の2種類がある。

そのうちD2C(ネット通販)は、1つあるいはごく少数の商品カテゴリーに絞って事業を展開する通販のビジネスモデルのことを指す。扱う商品は原則として自社のオリジナル商品(PB)で、「単品リピート通販」とも呼ばれる通り、リピート性が高い点に特徴がある!

継続的な購入を前提としているため、D2C(ネット通販)が特に発達しているのが、化粧品や健康食品といった日常的かつ継続的に使う消耗品の分野だ。代表的なD2C(ネット通販)会社として、古くは「やずや」、最近では青汁王子で有名になった「ファビウス(旧:メディアハーツ)」や、マナラ ホットクレンジングゲルで知られる「ランクアップ」などがある。

一方、総合通販とは、家具、日用品、服飾雑貨、化粧品など、多岐にわたるカテゴリーの商品をまとめて販売する通販のビジネスモデルのことだ。

D2C(ネット通販)と総合通販のビジネスモデルを比較すると、D2C(ネット通販)のほうが総合通販よりも同一商品のリピート率が高い、総合通販に比べD2C(ネット通販)のほうが少ない投資で始められるといった特徴がある。

D2C(ネット通販)は初期投資が少ないことに加え、ITを駆使すれば少人数で運営することもでき、総合通販に比べると参入障壁が低いことから、昨今プレイヤーが急増しているのである!!

ビジネスモデルから見るD2C(ネット通販)のメリット

すでに述べた通り、D2C(ネット通販)は初期投資が比較的少ないため、中小の事業者でも始めやすいという点が魅力だ。

また、D2C(ネット通販)ビジネスにおいては、基本的に自社のオリジナル商品で勝負することになるが、「オリジナル商品を作る」といっても、商品の製造自体はOEMで外注すればいいので、自社で製造設備を持つ必要はない。オリジナル商品を販売することで、他社の商品を仕入れて売るよりも高い利益率が確保できるだけでなく、独自性を発揮することにより、競合との差別化も図りやすい。

さらに、D2C(ネット通販)の強みとして強調しておきたいのが、ビジネスモデルが『サブスク』ビジネスであるという点だ!

コロナ禍での経済破壊の影響はあらゆる業界に及んだが、『売れるネット広告社』のクライアントのD2C(ネット通販)会社はほとんどマイナスの影響を受けておらず、むしろ売上が上がっているクライアントも多い!その背景として、外出自粛でEC利用が増えたこともあるが、D2C(ネット通販)は“ストック型”の『サブスク』ビジネスであるという要因も大きい!

売り切り型のフロービジネスの場合、景気が良いときは広告を打てば売上が上がるが、急激な経済の落ち込みがあると、一気に売上がゼロに近い状態になってしまうリスクがある。

出展:テモナ

ところが、D2C(ネット通販)は継続ありきの“ストック型”のビジネスモデルなので、景気が悪化して新規顧客の獲得が難しくなったとしても、それまでストックしてきた売上は維持されるのである!

出展:テモナ

重要なので再度言う。D2C(ネット通販)は、外部要因の影響を受けにくい“ストック型”のビジネスモデルを構築できる点が大きなメリットなのだ!!

しかも、“ストック型”のビジネスは継続的な収入が見込めることから、収益予想が立てやすく、経営が安定しやすい。先の売上が予測しやすいことから、コロナ禍のように社会情勢が急激に変化したときも先手を打って対策がとれるという利点もある!

比較的低コストで始められ、オリジナル商品を販売することで高い利益率も確保できるD2C(ネット通販)は、“ストック型”のビジネスモデルを構築できるという点においても、非常に優秀なビジネスモデルなのである!!

D2C(ネット通販)ビジネスの基本知識やメリットを押さえたところで、続いてはD2C(ネット通販)を成功に導くための5つのポイントを伝授しよう。

ポイント①:商品に差別化要素を持たせる

まずは、商品がなければD2C(ネット通販)ビジネスは始まらない。作る商品のカテゴリーが決まったら、競合商品との差別化要素としてプラス1個の強みを持たせた商品にしよう!

健康食品なら「機能性表示食品」、化粧品なら「医薬部外品」を謳えるようにすると、大きな強みになる。

加えて、最近はわかりやすい特徴のある商品や、変化や動きのある動画映えする商品が売れる傾向にある。例えば、使用すると色や形状が変わる、粘りやテカリがあるなどだ。累計販売本数2500万本を突破し、大ヒット商品となっている「マナラ ホットクレンジングゲル」も、肌にのせるとあたたかく感じるというわかりやすい特徴がある!

商品の品質が高いことはもちろん大事だが、マーケティングの観点では、「ほかの商品との差別化ポイント」や「その商品ならではの特徴」を伝えやすいことも重要になってくるため、そういった側面も考慮しながら商品企画を進めよう。

なお、商品の原価は、販売価格の15%以内に抑えるのが望ましい。

ポイント②:売れる“仕組み”を作る

私がクライアントにコンサルティングをする際、いつも真っ先に強調しているのが「売れる“仕組み”を作りましょう」ということである!いくらいい商品を作ったとしても、売れる“仕組み”がないとD2C(ネット通販)ビジネスで成功することはできない。

世の中のD2C(ネット通販)会社の多くは、売れる“仕組み”がないままネット広告を打ち、貴重な広告費をムダにしている…。D2C(ネット通販)ビジネスを成功に導くためには、ネット広告の活用が不可欠だが、ネット広告をやる前に売れる“仕組み”を作っておかないと、せっかくの広告も意味がないのだ。

売れる“仕組み”というのは、ズバリ、“3高ルール”と呼ばれる次の3つのステップを継続的に行うことである!

D2C(ネット通販)というのは、1人のお客様との継続的な関係によって中長期的に利益を上げていくビジネスモデルだ。だからこそ、1人のお客様にできるだけ長く・できるだけたくさん買ってもらうための戦略が必要になってくる!

世の中のD2C(ネット通販)会社の多くは、新規獲得の数字に一喜一憂するが、実際には初回コンバージョンよりも、むしろアップセルや引上、クロスセルのほうが重要なのである!!

特に意識してほしいのが、定期コース(サブスク)への誘導を徹底することだ!

新規顧客の獲得には広告投資が必要になってくるため、初回購入時は赤字だが、平均的なD2C(ネット通販)会社では、1人のお客様が4~5回継続して購入してくれたタイミングで利益が出始める。そして、その後長く継続してくれればしてくれるほど、利益が右肩上がりに伸びていく構造になっているのだ。

したがって、D2C(ネット通販)ビジネスで売上と利益を最大化するためには、1人でも多くのお客様に本商品の定期コース(サブスク)に申込んでもらい、その“固定客”の多くをほかの商品も購入してくれる“優良客”に育てる。そんな中長期的視点でビジネスモデルを考えることが欠かせないのである!

ポイント③:まずは『フォーム一体型ランディングページ』を制作する

私はこれまであらゆるD2C(ネット通販)会社をコンサルティングする中で、同じような失敗例を嫌というほど見てきた。実に9割以上の会社がD2C(ネット通販)を始める際に、「本サイト(ショップ)」を作って「カートシステム」と契約してしまうのである!

「それの何が問題なのか」と思われた人もいるかもしれない。「本サイト(ショップ)」というのは複数の商品をまとめて見せるためのカタログサイトであり、「カートシステム」というのは、複数の商品をかごに入れてまとめて購入するためのシステムである。

考えてみてほしい。スタートアップのD2C(ネット通販)会社は、最初は1つか2つしか商品がないのに、「本サイト(ショップ)」や「カートシステム」が必要だろうか?

ズバリ断言しよう。スタートアップのD2C(ネット通販)会社には「本サイト(ショップ)」も「カートシステム」も必要ない! !

ランディングページとは、ネット広告から誘導する専用ページのことで、“1つ”の商品を申込ませることに特化したものだ。セールスレター型の縦長のページになっているのが特徴で、新聞の折り込みチラシのネット版と思ってもらえばわかりやすいだろう。1つか2つしか商品がないスタートアップのD2C(ネット通販)会社は、まずはランディングページを制作し、広告戦略に注力するべきである。

そして、せっかく作ったランディングページは間違っても「カートシステム」につないではいけない!ぶっちゃけ、ネット広告とカートシステムの相性は最悪だからだ!!
日本のカートシステムには、申込ボタンを押してから申込完了まで平均して8つの画面遷移があるため、バケツの穴から水がこぼれるようにお客様が離脱し、最終的には申込ボタンを押したお客様のうち3割しか申込完了までたどり着かないのである…。

このような状態を防ぐためにはどうすればいいかというと、ランディングページを『フォーム一体型』にしてしまえばいい!『フォーム一体型ランディングページ』とは、文字通り申込フォームが設置されたランディングページのことで、お客様はランディングページ上で個人情報の入力を完了することができる!
これによって、画面遷移は「ランディングページ⇒申込確認画面⇒申込完了画面」とシンプルな3ステップになるため、カートシステムにつなげたときと比べ、ランディングページのコンバージョン率は約【1.5~2.5倍】上がるのである!!

ポイント④:ツーステップマーケティングを実践する

D2C(ネット通販)ビジネスにおいては、とにかく定期コース(サブスク)に誘導することが大事であることはすでに述べた。

といっても、広告から誘導するランディングページで、新規のお客様にいきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーするのはやめるべきだ。重要なので再度言う。ランディングページでいきなり商品を売ろうとしてはいけない!

恋愛に例えると、新規のお客様にいきなり定期コース(サブスク)をオファーする「ワンステップマーケティング」は、合コンで知り合った初対面の女性にその日のうちにプロポーズするようなもの。そもそもビジネスモデルとして無理があるし、本質的ではないのである。

ならはどうすればいいかというと、まずは「無料モニター」や「100円モニター」をフックに“見込客”を集めることに専念しよう!その後、申込確認画やフォローメールで定期コース(サブスク)に誘導するのである。

このように、まずは「無料モニター」や「100円モニター」で“見込客”を集め、その後定期コース(サブスク)へと引き上げるビジネスモデルを『ツーステップマーケティング』と呼ぶ。

『ツーステップマーケティング』は、一見まどろっこしく感じられるかもしれないが、「ワンステップマーケティング」に比べ、圧倒的に多くの“見込客”が集まるため、「ワンステップマーケティング」よりもCPO効率が良くなるだけでなく、定期コース(サブスク)の獲得件数も最大化する。おまけに、お客様は一度モニター商品を試してから定期コース(サブスク)に申込むため、定期コース(サブスク)の継続率も高いのである!

一時期大流行した「ワンステップマーケティング」だが、最近は薬機法等の規制強化や消費者トラブルの続出により、事実上“オワコン”となっている…。今後D2C(ネット通販)で成功するには、「ツーステップマーケティング」の攻略が不可欠なのだ!!

ポイント⑤:【A/Bテスト】をして広告クリエイティブを最適化する

ネットマーケティングの世界には、あらゆるバズワードやテクノロジーがあふれているが、私の経験上、ネット広告の費用対効果を最も確実に改善し続ける方法は、ズバリ【A/Bテスト】だ!!

【A/Bテスト】とは、同じ条件で複数のクリエイティブを露出し、それに対する反応から最も効果の高いクリエイティブを測定するテストのことである。なぜ【A/Bテスト】が大事なのかというと、【A/Bテスト】の結果はより大規模な本番キャンペーンでも99%以上の確率で再現されるからだ!

つまり、【A/Bテスト】の結果という『事実ベース』のノウハウを蓄積していくことで、「仮説ベース」のギャンブルのような広告を打つ必要がなくなり、より確実性の高い広告が実現できるのである!!

【A/Bテスト】のための手間と費用を惜しんで、いきなり多額の広告費を本番キャンペーンにつぎ込むD2C(ネット通販)会社も少なくないが、それはあまりにもリスクが高い。広告の費用対効果を確実に改善し続けるには、キャッチコピー、写真、構成(デザイン)といったさまざまな要素で【A/Bテスト】を重ね、“最強のクリエイティブ”を見出すことが一番の近道であることを覚えておいてほしい!!


ここまで一気に、D2C(ネット通販)ビジネスの基本と成功のポイントをお伝えした。実はD2C(ネット通販)ビジネスの本質は、ネット全盛の今になってもオフラインの時代からほとんど変わっていない。

これからD2C(ネット通販)ビジネスを始める人は、バズワードや最新のテクノロジーに惑わされず、「お客様と直接つながって中長期的な関係を築く」というD2C(ネット通販)の本質を大切にしてほしい。

加藤公一レオ
株式会社 売れるネット広告社 (東証上場 証券コード9235)
代表取締役社長CEO

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