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2024.10.08 

加藤 公一レオ

定期(サブスク)のお客様を放置してない?「売らないCRM」でLTVを最大化せよ
売れるネット広告社 代表取締役社長 CEOの加藤公一レオです。

D2C(ネット通販)の世界では、一定の間隔で商品をお届けする定期コース(サブスク)が当たり前になっている。私自身、LTVが上がる定期コース(サブスク)は最高のモデルだと考えているが、常々思っているのが、「定期(サブスク)のお客様を放置しているD2C(ネット通販)会社が多すぎる」ということだ!

申込んでもらうまでは、メルマガやDMなどで徹底的に定期コース(サブスク)申込みを煽るのに、お客様が定期(サブスク)に申込んでくれた後は、淡々と毎月商品を送り続けるだけ……。

恋愛でいえば、「釣った魚にエサはやらない」状態なのである。恋愛に置き換えてみると、商品だけを淡々と送り続けるのがいかに不誠実な行為であるかがわかるのではないだろうか。

そこで私は、D2C(ネット通販)のLTVを最大化する「売らないCRM」を提唱したい。逆説的に聞こえるかもしれないが、“売る”ことを目的としないCRMによってファンが増え、結果的に「LTV最大化」が実現できるのだ。
定期(サブスク)のお客様を放置するD2C(ネット通販)会社が多すぎる!
いきなりだが、D2C(ネット通販)というのは「結婚」に似ている。

新規顧客獲得のための広告ランディングページは、言ってみれば「合コン」、つまりは新たな出会いの場だ。ランディングページでお客様にオファーする「無料モニター」や「500円モニター」は、「デート」。結婚する前にまずは付き合ってみて相手を知るためのプロセスだ。

「無料モニター」や「500円モニター」を利用したお客様が商品を気に入って定期コース(サブスク)申込みに至れば、めでたく「結婚」となる。

しかし、現実の結婚がそうであるように、「結婚」は決して「ゴール」ではない。D2C(ネット通販)の世界でも、定期コース(サブスク)申込みというのは、新たなスタートにすぎず、結婚したからといって相手を放置していいわけではないのだ!

それなのに、世の中のD2C(ネット通販)会社の多くは、「釣った魚にエサをやらない不誠実な男性」のごとく、わざわざ定期(サブスク)に申込んでくれたお客様に十分なフォローを行わず、毎月淡々と商品を送り続けているだけ……。

なぜそれが問題かというと、ズバリ解約リスクが高まるからだ。

結婚相手をないがしろにし、ろくにコミュニケーションをとらなければあっという間に離婚の危機が訪れるように、定期(サブスク)のお客様をかえりみずに放置すれば、短期間で解約されるリスクが高くなってしまう。

出会ってから要所要所で口説き落として、「合コン」から「デート」へ、「デート」から「結婚」へとステップアップさせる(つまりは、「無料モニター」や「500円モニター」から定期(サブスク)に引上げる)ことが重要なのはもちろんだが、LTV(年間購入単価)を最大化するには、結婚してから、つまりは定期(サブスク)申込みに至ってからも、日々まめにコミュニケーションをとり続けることが不可欠なのだ。

私自身、結婚のLTVが24年目を迎えたが、それは日々のコミュニケーションを欠かさなかった成果だと思っている(笑)

結婚生活同様、定期購入(サブスク)が1回で終わるのか、5回で終わるのか、あるいは10回続くのかはCRM次第といっても過言ではない。にもかかわらず、多くのD2C(ネット通販)会社は、定期(サブスク)のお客様とのコミュニケーションをないがしろにし、みすみす「LTV最大化」のチャンスを逃してしまっているのだ。
「LTV最大化」はD2C(ネット通販)成功のカギ
「LTV最大化」のチャンスを逃すことは、ズバリD2C(ネット通販)で大成功するチャンスを放棄していると言っても過言ではない。なぜなら、「LTV最大化」はD2C(ネット通販)における成功のカギだからである。

そもそも、D2C(ネット通販)というのは、初回申込みをきっかけとして、その後の引上、クロスセルで中長期的に利益を出すビジネスモデルである。

新規顧客獲得には膨大な広告費がかかるため、顧客単位で見ると初回申込時は赤字。商品や会社によって多少異なるが、D2C(ネット通販)は、ひとりのお客様が4~5回継続して購入してくれたタイミングで利益が出始め、同じお客様が何度も買ってくれればくれるほど、利益が右肩上がりに増えていく構造になっているのだ。
だからこそ、D2C(ネット通販)の世界では、新規獲得の数字だけを見るのではなく、企業の決算と同じように広告の費用対効果(ROAS)も年単位で見ていく必要がある。D2C(ネット通販)で成功するためには、「いかにひとりのお客様に継続してたくさん買ってもらえるか」、つまりは「LTV最大化」という視点が不可欠なのだ。

実際に“売れる”D2C(ネット通販)の売上比率を見てみると、新規のお客様よりも固定客の割合が大きい会社がほとんどである。そして、これらの会社の多くは、 固定客のLTVを上げるためのCRMを徹底して行い、ひとりのお客様に繰り返し購入してもらうことで莫大な利益を出しているのだ。

これで、定期(サブスク)のお客様を放置することがいかに危険か、おわかりいただけたのではないだろうか。

D2C(ネット通販)の本質は、初回申込みをきっかけとして、お客様と半永久的にリレーションをとり続けること。まさに夫婦円満の秘訣と同じである!
「売らないCRM」でLTVが上がる
一度つかんだお客様に繰り返し購入してもらい、「LTV最大化」を実現するためには、定期(サブスク)継続中のお客様への徹底したCRMを意識してほしい。

特に強調したいのが、「売らないCRM」の重要性だ。「売らないCRM」はその名の通り、商品の売り込みを目的としない純粋なコミュニケーションである。

プロモーションのためのメルマガやLINE、DMなどもそれはそれで続けていくべきだが、それとは別に、一切商品URLを載せずにコミュニケーションに特化したメールや会報誌などを定期的に送るのだ。

同じ商品やブランドを継続しているお客さまの喜びの声、途中で利用をやめてしまったお客さまの後悔の声、会社の理念や代表者の考え、開発秘話などを送り、「この商品を購入したあなたは良い選択をしましたよ」と伝え続けることでファンが増えて、LTVが上がる。

また、定期(サブスク)解約の一番の理由は「商品が余っているから」。正しい使用量や継続することの大切さを伝え、商品を使い切ってもらうための情報発信を続けていくことも重要だ。

「売らないCRM」は、オンラインとオフラインの両方を組み合わせて行うと効果的だ。商品の正しい使用方法をメールで紹介するのはもちろん、新たに定期(サブスク)コースを申込んでくれたお客様には商品とは別にお礼のお手紙を送ったり、商品お届け時には同梱物で継続期間別のお客様の喜びの声を紹介したり……定期(サブスク)通販であってもメールだけでなくLINE、手紙、同梱物などあらゆる手段でお客様とのコミュニケーションをとり続けることが大切なのだ。
価値ある「情報」を提供することが本当のCRM
世の中には、ありとあらゆる商品があるが、ぶっちゃけどの商品を買っても大差はない。

では何が差を生むかというと、「情報」である。世の中にはリアル店舗からAmazonや楽天のようなモール型通販、D2C(ネット通販)まで多種多様な店舗があるが、デパートやコンビニ、モール型通販とD2C(ネット通販)の最大の違いは、お客様と継続的な関係性を築けるところにある。

コラーゲンドリンクであれ、クレンジングであれ、わざわざD2C(ネット通販)で買わなくても、近所のドラッグストアで簡単に買うことができる。だからこそ、優秀なD2C(ネット通販)会社は、常に価値ある「情報」を発信し、お客様とのコミュニケーションを欠かさないのだ。

例えば、スキンケア商材を扱うD2C(ネット通販)は、正しい洗顔の仕方や紫外線の恐怖、肌のコンディションを整える食事法といったことを伝えている。ダイエット商材を扱っている場合は、脂肪の吸収を抑える食事の摂り方やスキマ時間にできるエクササイズ情報などだ。

そうやって、商品だけではなく、お客様の生活に役立つ有意義な「情報」を提供することで、お客様は次第にその会社が発信する「情報」に価値を感じるようになる。

すると、「もうちょっとスキンケアを頑張ろう」とか、「健康的な食事を心がけよう」とか、お客様の普段の生活における意識が変わっていく。そしてそういった意識の変化が、最終的にはその人の生きかたを変えるのだ。

さらに、お客様は美容に関する情報に触れることで「きれいになった気がする」、健康に関する情報に触れることで「健康になった気がする」と感じるようになる。つまり、世の中のD2C(ネット通販)会社は情報提供を通してお客様に自信を与えることができるということだ。

お客様の意識を変えていく、お客様に自信を与えるという意味で、私はD2C(ネット通販)とは「教育業」だと思っている。

D2C(ネット通販)の世界では、初回申込はあくまできっかけでしかない。初回申込をきっかけとしてお客様との関係性を築いていくことがD2C(ネット通販)の本質であり、お客様にとって価値のある本質的な情報を伝えることが本当の意味でのCRMなのだ!
中小のD2C(ネット通販)が大手に勝つためには、理念を伝え続ける
ネット広告による新規顧客獲得には心理テクニックやギミックが必要だが、CRMにおいては、ややブランディング寄りの視点が必要になってくる。

とはいえ、既存顧客のロイヤリティを上げるためのブランディングにTVCMや新聞広告に大金を投じる必要はない。定期(サブスク)のお客様宛にブランディングをする際は、オウンドメディアや季刊誌などを使って、自社の企業理念や商品の魅力をダイレクトに伝えればいいからだ。

季刊誌や会報誌は短期的には効果が見えにくいため、よく「本当に必要なんですか?」という質問を受けるが、定期(サブスク)のお客様宛にブランディングをするうえで、季刊誌や会報誌の存在は非常に重要である。

なぜなら、このままいくと中小のD2C(ネット通販)会社、特に健康食品会社は持たないからだ。大手メーカーはブランド力と資本力を持っているので、中小の健康食品会社と同じような商品をすぐに開発することができる。

しかも、お客様からの立場から見れば、薬と違って即効性があるわけではない健康食品の場合、似たような商品なら、信頼とブランド力のある大手メーカーの商品のほうが安心して買えるからだ。

では、中小の健康食品会社はどう戦っていけばいいかというと、季刊誌や会報誌を活用して中小のD2C(ネット通販)会社ならではの理念やストーリーを伝えていくことが大事になる。

ぶっちゃけ、毎月「ありがとう」という文面と明細書だけを送っても大手には太刀打ちできない。中小のD2C(ネット通販)会社が選ばれるためには、お客様に自社の理念を伝え続けなければならないのだ。

企業理念に共感して会社に入るように、人間は理念に共感すれば、会社やその商品に対して特別な感情を抱くようになる。理念に共感して「ファン」になってもらって、お客様が「この会社の商品だから買いたい」と思ってくれるようになれば理想的だ。

『売れるネット広告社』のクライアントにもファンづくりの上手いD2C(ネット通販)会社があるが、企業理念や創業秘話、商品開発ストーリーなと、会社や商品の背景にある「想い」「信念」を徹底してお客様に伝え続けているところに特徴がある。

お客様が「この会社の商品だから買いたい」と思ってくれるようになれば、定期(サブスク)の継続率はもちろんのこと、関連商品のクロスセルの成功率も上がり、LTVは2倍にも3倍にもなる!

目の前の売上を確保するフォローメールやDMはもちろん大切だが、中長期的に売上と利益を上げ、D2C(ネット通販)で大成功するためには「売らないCRM」の攻略が重要になる。

逆説的に聞こえるかもしれないが、「LTVが上がらない」「定期(サブスク)の継続率が悪い」と悩んでいるD2C(ネット通販)会社こそ、「売らないCRM」を実践してみてほしい。

加藤公一レオ
株式会社 売れるネット広告社 (東証上場 証券コード9235)
代表取締役社長CEO
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