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2025.01.21 

加藤 公一レオ

“プレゼンのプロ”が教える、勝率が上がる!企画書・プレゼン資料作成のキーポイント(後編)
こんにちは。『売れるネット広告社グループ』代表取締役社長 CEO 加藤公一レオです。

広告マンにとって、避けて通れないのが広告主へのプレゼンである。提案が通らなければキャンペーンを実行できない以上、広告マンなら誰しもプレゼンの勝率を上げたいと思うはずだ。

プレゼンの勝率を上げるためには、しゃべりや自己演出などのプレゼン力を磨くだけでなく、『聴き手に伝わる企画書・プレゼン資料』『聴き手をその気にさせる企画書・プレゼン資料』を作成するスキルも大事になってくる!

前回に続き、三菱商事とADKを経て2010年に『売れるネット広告社』を創業し、プレゼン勝率90%以上を誇る私が“勝率が上がる企画書・プレゼン資料作成のキーポイント”の後編をお届けする。
【6】情報を詰めこまずシンプルに
文字だけの企画書や資料とは違って、スライドの資料はあくまでもプレゼンを補足し、聴き手の理解を助けたり、より強いインパクトを残したりするためのものである。したがって、スライドの資料だけですべてを理解できるようにする必要はない。

むしろ、1枚の資料であれこれ伝えようと情報を詰めこみすぎるとインパクトが薄れ、逆効果になってしまうため、下記のような工夫を凝らして、聴き手が視覚的に内容を理解できるようにしよう。

・余計な装飾語は省き、できるだけシンプルな表現にする
・図やグラフ、イラストなどを活用して、できるだけ文字量を少なくする
・スライドの重要度に応じて、情報量にメリハリをつける
・重要度に応じて、文字の色やサイズにメリハリをつける

聴き手がスライドに書かれている文章を“読む”のに時間がかかって、プレゼンの内容が頭に入らない、理解が追いつかないという状態になってしまっては逆効果である!スライドは“読む”というよりもパッと“見て”理解できるようにしよう。
【7】スライドはテンポよく切り替える
⑥の「情報を詰めこまずシンプルに」とも関連するが、1枚のスライドにはたくさんの情報を盛り込まずに、次のページ、またその次のページへと、スライドがテンポよく切り替わっていくようにしよう。

PowerPointのスライドは、1枚でちゃんと情報が伝わるようにしないといけないと思っている人もいるかもしれないが、決してそんなことはない!あえて、文章の途中で切ってしまって次のページに移るのもアリだ。
例えば「それは」「そこで」など、中途半端なところで言葉が途切れると、“じらし”の効果によって聴き手は「重要な話が登場するに違いない」という期待感を抱き、次に話すことに集中してくれる!

話す内容の重要度を考え、ここぞというところでは“じらし”のテクニックを使いながら、テンポよくスライドが切り替わっていくようにしよう。
【8】色や記号、アニメーション等が与える心理効果を上手に使う
細かいことだが、提案が通る確率を少しでも高くするためには、色や記号が与える心理効果を上手に取り入れることも有効だ!

例えば「メリット」を紹介するスライドには上向きの矢印を入れることによって、聴き手に“その提案を採用することでより良くなる未来”を想起させることができる。しかも、アニメーションで矢印が下から上へと上がっていくようにすることで、より強く「上昇」をイメージさせることができる!

また、詳しくは後述するが、『売れるネット広告社グループ』の提案では、必ずプレゼンの最後で聴き手であるクライアントに各施策を実行するかどうか「YES / NO」を確認している。その際、「YES」の文字は“緑”で、「NO」の文字は“赤”で記載する。
これは、ランディングページの申込みボタンを“緑”にするとコンバージョン率が上がるのと同じ理屈だ!万国共通で赤信号が「止まれ」を意味する通り、“赤”には「警告」のイメージがあり、心理的に選びにくいのである!

さらに、『売れるネット広告社グループ』のプレゼンでは、売上や広告の費用対効果が上がるイメージを演出したい部分にはレジスター音を入れるなどして、聴覚にも働きかけている。

色や記号、アニメーション、サウンドなど、使えるものは総動員して、プレゼンの効果を最大限に引き出すようにしよう!!
【9】決定事項や次のアクションを明確にする
一般的なプレゼンの場では、問題提起や提案の後、「ご清聴ありがとうございました」で締めくくることが多い。ところが“お礼”だけ終わってしまうのはあまりにももったいない。

考えてみてほしい。あなたがクライアントやパートナー企業、上司にプレゼンをする目的はなんだろうか?「ただ自分の話を聞いてもらいたい」からではなく、「自分の提案にゴーをもらいたい」「自分の提案にYESと言ってほしい」からではないだろうか。

ズバリ、ビジネスプレゼンの目的は、聴き手に対して、プレゼンターにとってプラスになるような意思決定を促すことである!であるならば、提案と決定はセットであると認識しよう。
そこでプレゼンの最後に、「提案事項のまとめ」を行い、提案した施策のひとつひとつに対し「YES / NO」を確認していくのである。もちろん、「YES / NO」を確認するページもスライドに入れよう。

聴き手がすぐに意思決定できるものであれば、その場で“決定事項”として片づけてしまえばいいし、すぐに決められないものについては、「〇月〇日までにYES / NOのご回答をください」と、こちらから期限を設定する。

何かを「決める」ことは人間にとって大きなストレスになるので、そのプロセスをできるだけ後回しにせず、すぐに決められることはその場で決めてしまうことはプレゼンターにとって有利に働きやすいだけでなく、聴き手の負担の軽減にもつながるのである。
【10】フォーマット化して横展開する
世の中のビジネスマンの多くは、「企画書やプレゼン資料はクライアントごとにカスタマイズする必要がある」と思っているが、実はそうではない。

ひとつの広告主にプレゼンして採用された評判のいい企画書があれば、キレイゴトなしにほかのクライアントへのプレゼンにもその企画書を横展開すればいい!なぜなら、本物の“ノウハウ”はどの広告主に適用させても成功する汎用的な『仕組み』だからである!!

もちろん『売れるネット広告社グループ』のプレゼン資料も、クライアントのステージや提案の目的に応じて、完全にフォーマット化している。当然、これまでのキャンペーン成績や課題など、クライアントごとに異なる点については修正やアップデートは必要だが、全体の構成やストーリー、デザインはほとんど同じものを横展開することができる!

ほかのクライアントでうまくいった企画書をフォーマット化して横展開することで、誰でも同じレベルのプレゼン資料が簡単に作れるようになるし、資料作成にかける工数をより付加価値の高い業務に振り分けることもできるようになる!

プレゼンの相手(クライアント)と提案の目的によって多少異なるが、『売れるネット広告社グループ』が採用している企画書・プレゼン資料の内容は、下記のような構成になっている。ぜひ参考にしてほしい。

1.プレゼンターと会社の紹介
2.プレゼンの背景・目的
3.現状分析・課題とその背景
4.具体的な提案内容
5.提案を採用した場合の効果とその裏づけ
6.決定事項(提案事項のまとめと「YES/NO」の確認)

最後に、広告マンの多くはコンペやプレゼンの直前までバタバタ企画書づくりをするが、ミスをなくすためにも、企画書やプレゼン資料は遅くとも2日前に作成を終わらせ、寝かせるようにしよう。直前までバタバタと企画書づくりをするかわりに、前日は徹底的にプレゼンの「イメトレ」をすることで、提案の勝率がぐっと上がるはずだ!

加藤公一レオ
売れるネット広告社グループ株式会社 (東証上場 証券コード9235)
代表取締役社長CEO
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